これまでのお話。


喉はカラカラ、最後の気力を振り絞って、大声で助けを叫び続けるものの、消防車のサイレンで声が消し去られる状態です。

このままだと消防士に気づかれずに「要救助者なし!」ってことで、立ち去られるかもしれません(汗・汗)

今は叫ぶことしかできないので、とにかく全力で叫び続けます。

「たーすーけーてー」

「たーすーけーてー」


すると、消防車の爆音に気づいた同じアパートの住人が外にでてきました(爆音ナイス・ジョブ!)

・・・そしてようやく、叫んでいる私にも気づいてくれたんです。

住人の中にはこの朝にたまたま玄関で会って、自己紹介をしたばかりの隣部屋の人もいました。この隣人(マリオさん)は、普段はアイルランドで仕事をしているという英語が達者なイタリア人です。

朝には「何か困ったことがあったら、いつでもうちのドアをノックしてね」と優しい言葉をかけてくれた紳士だったんですが・・・まさか、こんなすぐ(半日後)に彼の力を借りることになるとは思いもよりませんでした(汗)

 

さて、マリオさんにこちらの状況を説明します。

私:「この部屋にいたら勝手に外から鍵が掛かって、出れなくなったんです」

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うん、意味わかんないよね(爆)

英語に全く問題がない彼でも、理解不能な顔をされましたよ(汗)

まあ、本人(私)でさえ、なんでこんなことになったのか分からない状況。

理解してっていうのは無理ってものです(諦めの境地)

 

とにかく今の状況から助けてもらうために、マリオさんにお願いして消防士に以下の状況を説明してもらいました。

1.玄関の鍵は内から鍵が付いたまま掛かっていて、鍵屋でも開けることができないと思われる(玄関ドアを壊して入るしかない)

2.バルコニー、台所の窓は開いている。

3.私の部屋の鍵が部屋の外の廊下に落ちている。

 

5人ほどいた消防士たちは、これらの状況から判断して「ハシゴを使って、台所の窓から入る」という方法を取ることにしました。

 

おお!消防車(ハシゴ車)を使って、台所の窓(3階)に入り込むのね!

・・・と、期待していたら

・・・・

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消防士たちは「普通のハシゴ3つ」を持ってきて組み立て始めたんです。

・・・どうやら100%人力での救助となりそうです(ちょい残念)

 

ハシゴの組み立てに思ったより時間が掛かかりましたが(慣れてない?)なんとか組み立て完了。

消防士4人がかりでハシゴをアパートの壁に掛けると・・・

ギリギリで台所の窓にハシゴが届いたんです(ほっ)

・・・これ、うちの部屋があと1メートル高かったらアウトな方法だったかと(汗)

 

そして、消防士の一人が勇ましくハシゴを登って、台所の窓から入ることに成功!

それから廊下に落ちてる鍵を拾って、私の閉じ込められている部屋のドアを開けてくれました!!!

 

やったーーー!!

助かった!!

ああ、やっと、お水が飲める!(叫びすぎて喉がカラカラ)

 

この時、時計を見たら既に夜の11時すぎ。

夕方6時くらいに部屋に入ったのを覚えているので、約5時間ほど私はこの部屋に閉じ込められていたことになります。

・・・長かった。

ほんと悪夢のような時間でしたよ(涙)

何度、「これは夢だと言ってくれ」と脳内で叫んだことか。

 

最後は、隣人マリオさんと消防士の方々に何度もお礼を言って、おしまいです。


そうそう、消防士のリーダーが私の身分証明書の確認をしに来たんですが、

その人が・・・

「ブルース・ウィリス」みたいなイケオジだったんですよ!(消防服着てるし!)

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・・・まあこれって、

私が救出されて、脳内ホルモンがドバドバ出ている状態だったので、

「普通にハゲてるおじさん」かなり美化されたのかもしれませんが(笑)

あ、これ心理学でいう「吊り橋効果」とかいうやつ?


とにかく、私の救出劇はこれでようやく幕を閉じたのでした。

ブルース・ウィリスに助けられたという妄想と共に・笑)