以前、働いていた研究所での話です。

妊娠すると母体の血流に微量の胎児のDNAが流れ込みだします。
これを利用したのが出生前診断で、
NGSというDNAシークエンシング(DNA配列解析)により
胎児の異常も検出することが可能となります。
ま、その当時はNGSが比較的出たばっかりの技術で、
遺伝子解析費が比較的安いオーストラリアでも
お値段も20万くらいしていたので、さすがにこっそり
他のサンプルと一緒にそれをやるというのはしませんでした(汗)
まあ、私の知りたかったのは胎児の性別だけだったので、
どこのラボでも結構一般的に行う実験の一つといえる、
Real-time PCRという方法で解析することにしました。
これとっても安いし、精度もかなり高いです。
(一つのサンプルに50-100円くらいかな、激安です)
人間は計46本の染色体を基本的にもっており、
ペアになって23対の染色体があります。
その中の一対が性染色体。XとYです。
女性の私はXXを持っていて、男性はXYを持っています。
(まれにX一つの人=XO、XXYやら、XXXYとかの人もいますけどね)
性別判定のPCR実験は、
Y染色体上の遺伝子(Y遺伝子)ターゲットにして検出します。
私にはY染色体がないので、本来は無反応の結果となりますが、
胎児が男の子だと、反応陽性の結果がでます。
まあ、妊娠5週目なんて、
私の体を回っている廻っている胎児のDNAも、
極めて微量で検出できるかなと思っていたんですけど、
丁度、隣の遺伝子診断部の友人(同僚)も全く同じ週に妊娠、
一緒に実験のサンプルにねじ込みました(爆)
結果は
お友達は「陽性=男の子」、私は「陰性=女の子」。
めちゃめちゃうまい具合に出ました。
私は女の子が欲しかったし、友人は男の子が欲しかったので、
二人で「キャーうれしい!」これが二人とも「陰性」なら実験自体の失敗の可能性も否めなかったのですが、
友達の陽性サンプルのおかげで、この実験結果の信頼性が高くなっています。
ありがとう友人よ!
(そこら辺の説明はめんどくさいので端おります。汗)
とにかく、5、6週目で性別判断できちゃうって、
(この当時の技術では)ちょっとすごいなと自分でも思った次第です
(普通のNGSは妊娠10週目以降なので)
ただ、
この早期性別判断はどこもサービスとしては行っていないので、あしからず!
格安でできちゃうんですけどね。
たまたま、うちの研究室でよくやっている実験だったし
PCRプレート(384サンプル同時に反応ができる)に空きがあったので
ちょっとサンプルを追加してみただけです(汗)
実は、この後、大ボスにバレて、ちょっと怒られました。
(もし何かの異常が見つかってしまうと、責任が負えないという意味で。)
ま、このPCRだけなら異常は見つけられないのでセーフ!
NGSはアウトっていう見解でした。
ちなみに、研究初期段階の実験コントロール検体は、
内輪(同僚や自分自身)から調達するのが、
研究室あるあるだと思っているんですけど(多分)、
これについてはまたいつか書こうかと思います(笑)
とにかく、妊娠早期で女の子と判明。
通常、胎児の性別は妊娠20週くらいのエコーで判別するのですが、
「女の子でしょうね」と言われた場合、
画像にアレが見えてなかったからという理由の判断。
たまたま見えなかっただけで、
生まれてみたら付いてたとの話もありますよね(汗)
そういう意味では、
私は99.9%「女の子」だと確信してられたので、
ピンクの服の購入も迷いなく始められてよかったなと思っています。